Colortaleの作った短編小説です。

定期的に更新していきますので、よろしかったらおつきあいくださいね!

インディゴのお話


私の仕事は空のロールカーテンを降ろすこと。


楽しかった日も、うれしかった日も、

悲しかった日も、悔しかった日も、

決められた時間にカーテンを降ろす。


赤い夕焼けが

 もうちょっとだけ…

と、別れを惜しんでも容赦なくインディゴの幕を

降ろす私の仕事。


ある日、夕暮れ空の下を一人ぼっちで歩いている

一人の女の子がふと立ち止まって私に話しかけてきた


お願い!もうちょっとだけ

カーテン降ろすの待って…


えっ??

女の子が言い終わる直前、自分の存在を知られている

            ことに驚いた私の手からロールカーテンの紐が放れた。

            するすると夜が降りていく…


            その後、女の子がどうなったのか、気になった私は

            カーテンにぷっつり穴を開けた。


インディゴ✒インドアイというマメ科の植物からできる紫を帯びた暗い青色のこと。濃いインディゴをネイビーブルーと呼びます。